医療法人社団博翔会桃泉園北本病院

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桃泉園北本病院

〒364-0001
埼玉県北本市深井3丁目75番地

椎間板酵素注入療法（ヘルニコア）

注射で治す椎間板ヘルニア

背骨は椎骨という骨が積み重なってできていて、椎骨の間でクッションの役割を果たしているのが椎間板です。椎間板の中心にはゼリー状の髄核があり、周囲をコラーゲン線維（線維輪）が囲んでいます。腰の椎骨（腰椎）の間にある椎間板は特に、日常生活で負担がかかることも多く、何らかのきっかけで線維輪の亀裂を通じて髄核が飛び出すことがあります。この飛び出した部分をヘルニアと呼び、このヘルニアが近くを通る神経を圧迫して痛みやしびれなどの症状を引き起こすのが、腰椎椎間板ヘルニアです。

椎椎間板ヘルニアは、その多くが手術をしなくても1〜3ヶ月で自然に改善することが多い疾患です。そのため最初の段階では、鎮痛薬、リハビリ、ブロック注射などで治療することが一般的です。しかし、中にはなかなか良くならない場合があるので手術治療を選択することになります。

現在、新しい治療法の一つとして椎間板内酵素注入療法（ヘルニコア®︎）が保険適応となりました。腰椎椎間板ヘルニアに対する新たな治療選択肢として追加されました。
注射で飛び出した髄核を小さくして神経への圧迫を軽減させる新しい治療法です。
言わばこれは保存療法と手術療法の間に位置付けられる治療方法となります。
1回の注射をするだけという侵襲（身体への負担）が非常に少ない治療方法です。

椎間板酵素注入療法とは・・・
ヘルニコア®を椎間板内に直接投与すると髄核の構成成分が分離されてヘルニアのふくらみがやわらぎ、神経の圧迫が改善します。
　

ヘルニコア®の適応ケース

腰椎椎間板ヘルニアは自然に縮小したり、大きさは変わらなくても症状がおさまるケースも多いため、まず保存療法で様子をみます。保存療法で効果がみられない場合、その他の治療が検討されます

治療の流れ

①レントゲン台に横になり体の位置を調整します。
　Ｘ線でヘルニアのある椎間板を確認しながら針を刺す位置を決めます。

②針のある位置を消毒し局所麻酔をします。

③ヘルニアのある椎間板内に針を刺しヘルニコアを注射します。

ヘルニコア®の投与は１泊２日の入院となります。

　　　　　　　　　　　　　　　　治療を受ける前に確認頂きたい事

①過去にヘルニコア®による治療を受けた方は再度治療を受けることはできません。
②いかに該当する方はヘルニコアの治療に注意が必要です。
　◆アレルギー体質の方
　◆「腰椎不安定性」の疑いがあると医師から言われれた事のある方
　◆骨粗鬆症、関節リウマチのある方
　◆妊娠中の方、妊娠の可能性のある方、授乳中の方

副作用について

注意が必要な副作用として
　　　　①アナフィラキシーショック（ふらつき、息苦しさ、蕁麻疹など）
　　　　②腰椎不安定症（ヘルニコア投与前とは異なる腰痛、下肢痛、しびれ等）　　
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主な副作用として、一過性の腰痛、下肢痛や発疹、発熱、頭痛などが見られます。

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2回目以降の投与ができないことについて
「ヘルニコア®」は異種蛋白ですので、2回目以上の投与をすると免疫反応が強く出現する可能性があります。そのため「ヘルニコア®」の投与による治療は今回だけに限られます。以降はヘルニアが再発しても「ヘルニコア®」を投与できません。患者カードをお渡ししますので、他の医療機関を受診する際には、必ず医師へカードを提示してください。

治療後の日常生活

◆治療当日の入浴は控えます
◆治療後1週間は腰に負担をかけない様にします。
　治療後は椎間板周りの組織に変化が起こってます。
　日常生活やスポーツなど開始時期など詳細は医師に相談してください。
◆定期的に診察をうける必要があります。

「ヘルニコア®」効果が見られなかった場合
「ヘルニコア®」は、これを椎間板内に注入することで、椎間板の中の圧力を軽くすることを目的としています。直接、ヘルニアを取り去るものではありません。この治療によっても効果がない場合には、次に手術治療を選択するかどうかを経過を見ながら判断します。しかし、一般的に、椎間板ヘルニアは時間の経過とともに症状が軽減することも多いので、「ヘルニコア®」が直後にあまり効かなかったとしても、すぐに手術をしなければならないということはありません。投与後、きちんと経過を観察しながら次の方針を決定します。